【Enjoy! カリグラフィー】第2回 こんなに簡単!“つけペン”を使ってみよう
by はまね先生 Hamane senseiこんにちは。日本で数少ないプロのカリグラファーとして活動しているはまね先生です。
連載「Enjoy! カリグラフィー」シリーズ、第2回目のテーマは「こんなに簡単!“つけペン”を使ってみよう」です。
今回使うつけペンはパイロットの「iro-utsushi(いろうつし)」。使い方や他のつけペンとの比較、手書きカードなど、盛りだくさんの内容でお届けします。
「iro-utsushi」ってどんなペン?
「iro-utsushi」とは万年筆のペン先がついた筆記具です。カリグラフィーのつけペンと同じようにインクをペン先につけて使います。
ペン先や軸が何種類かあり、今回は細字が書けるペン先で透明な軸を選びました。
使い方はすごく簡単。ペン先をインク瓶へ入れ、インクをペン先の丸い穴までつけて書くだけ。
色を変える時や片付ける時は水で洗い、水分を拭き取ります。
まずは試し書きをしてみました。万年筆と同じペン先なので、書き心地はとても滑らか。すいすいペンが進みます♪
インクのもちもかなりよく、ストレスなく使うことができます。
「iro-utsushi」でカリグラフィーを書いてみよう
カリグラフィーとは美しい手書きのアルファベットのこと。色々な書体があり、選ぶ楽しみがあります。「iro-utsushi」のような細い線で書けるカリグラフィーはこちら。
「スペンサリアン体」は19世紀にアメリカで考案された書体。素早く書けるよう工夫された筆記体系書体で、シェーディング(太い部分)が特徴です。
「iro-utsushi」は線の太さが一定なので、シェーディングの太い線はあとから書き足して調整します。
つけペンでもくもくと文字を書く時間は大人でも夢中になれるはず。見本やガイドシートがあるとカリグラフィーをはじめるハードルが低くなります。
カリグラフィーのつけペンとの違いは?
本格的なカリグラフィーでは「ポインティッドペン」と「オブリークホルダー」を使います。
「オブリークホルダー」は斜めに倒れた書体が書きやすい形をしています。
上 iro-utsushi
下 ポインティッドペン
上の「iro-utsushi」は線の強弱がほとんどなく、ペン先は軸に固定されているので取り替えることはできません。
一方、つけペンと異なりどの方向へもスムーズに動かすことができ、一度インクをつけるとかなり長く書けます。見た目より軽く、書いていて手が疲れません。
下の「ポインティッドペン」は線の強弱を筆圧によってコントロールできます。ペン先とホルダーは別々なので気軽にペン先を取り替えて使えます。
初めての方にはペン先が紙にひっかかったり、線の方向によっては書きにくかったりして、難しく感じるかもしれません。
本格的なつけペンは使いこなせるようになるまで少し時間がかかります。まずは「iro-utsushi」のような気軽に使える文房具でカリグラフィーを楽しんでみましょう。
もらったら嬉しい!作るのも楽しい!手書きのカード
つけペンに慣れてきたら、大切な方にカードを出してみませんか?
お好きなインクを用意して、カリグラフィーでメッセージを書いてみましょう。ちょっとくらい曲がってもOK!「iro-utsushi」は紙にひっかかることがほとんどなく、何枚でも書きたくなる使い心地のよさです。
ぜひ“つけペン”を使った手書き時間を楽しんでみてくださいね。
Information
iro-utsushi(いろうつし)|パイロット
https://www.pilot.co.jp/products/pen/fountain/tsuke_pen/iroutsushi/
※記事の内容は執筆時(2023年8月)のもので、現状とは異なる場合がございます
Writer Profile
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日本で数少ないプロのカリグラファー。 伝統的な書体からモダンカリグラフィーまで書け、オンラインレッスンやオンラインサロンでカリグラフィーを教えています。YouTubeはまね先生チャンネル登録者数は1万人を超え、幅広く手書きの楽しさをお届け中。
著書に『ガラスペンで楽しむ きらめきインクBOOK』(実務教育出版)、『筆ペンで綴る はじめてのモダンカリグラフィー』(グラフィック社)、『モダンカリグラフィー練習帳』(宝島社)、『カリグラフィーレッスンプログラム』『モダンカリグラフィープログラム』(felissimo)など。
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インクが大好きな方にはつけペンがぴったり。気分で色を選びカリグラフィーを練習することで充実した手書き時間が楽しめますよ。(はまね先生)