【Enjoy! カリグラフィー】第3回 すいすい書ける!“万年筆”でおしゃれ文字
by はまね先生 Hamane sensei![](https://i2.wp.com/otegami.life/apps/wp-content/uploads/2023/12/otegami_in_64.jpg?fit=1300%2C1300&ssl=1)
こんにちは。日本で数少ないプロのカリグラファーとして活動しているはまね先生です。
連載「Enjoy! カリグラフィー」シリーズ、第3回目のテーマは「すいすい書ける!“万年筆”でおしゃれ文字」です。
カリグラフィーとは美しい手書きのアルファベットのこと。万年筆を使えば、カリグラフィー専用のつけペンと違い、気軽にカリグラフィーをはじめられます。書体の特徴をチェックして、万年筆でおしゃれ文字・カリグラフィーデビューをしてみましょう。
万年筆にはどんなカリグラフィーがおすすめ?
万年筆で書くのにおすすめの書体はモダンカリグラフィー。丸みのある形、大人っぽい文字など色々なスタイルがあります。
決まったルールはなくアレンジがつけやすいことが人気の秘密。傾斜や文字サイズは自由ですが、特徴はアルファベットをつなげて書くことです。
つけペンと万年筆の違いは?
カリグラフィー用のつけペンと万年筆の違いがわかりやすいよう、それぞれのペンで同じ文字を書いてみました。
左:つけペン 右:万年筆
左のつけペンは先端が尖っているので細い線がきれいに書けます。筆圧によって線の強弱がつくことも文字に魅力を感じさせます。
一方、右の万年筆はつけペンと比較すると線が太めで、線の強弱がつきません。繊細さはありませんが、読みやすく暖かな印象です。
左のつけペンは特殊な形のオブリークホルダーを使います。インクをスムーズに出すため持ち方を工夫し、頻繁にインクをつける必要があります。
右の万年筆はキャップを開ければすぐに書きはじめることができ、インクをつけ足さなくても長く書けるので、難しいテクニックはいりません。ペン先が色々な方向にスムーズに動くのもはじめやすさの理由です。
万年筆でどんな線が書けるか試してみることがカリグラフィーを楽しむための第一歩。スムーズに手を動かせるように縦線や楕円などの練習をします。
小文字はつなげて書くと上達へのステップアップになります。
万年筆でモダンカリグラフィーを楽しもう
![](https://i2.wp.com/otegami.life/apps/wp-content/uploads/2023/12/cal3-5.jpg?resize=1200%2C1570&ssl=1)
万年筆に慣れてきたら、次はお名前にチャレンジ。自分だけでなくいろいろな方のお名前が書けるようになると手書きがとても身近になります。
モダンカリグラフィーはくるっとしたアレンジがつけやすいですが、つけすぎると読みにくくなるので注意しましょう。
こちらはPOPなスタイルのモダンカリグラフィー。アルファベットをふっくらさせるとかわいらしくキュートに。万年筆でケーキのイラストや飾り線を書き入れると楽しい雰囲気になりますね。
万年筆は線が均一なので、太いところは2度書きをします。アウトラインを書き、袋文字にしてから塗ると、太さのばらつきがおさえられます。
うまく書けなくても大丈夫。不揃いな文字が手書きらしさにつながります。
フリーのノートにカリグラフィーを書いてスケジュール帳を作るのも素敵。モダンカリグラフィーは違うスタイルを組み合わせると洗練された印象になります。
月の名前は丸みを出してストライプ模様に、曜日と日付はシンプルに書きました。月と曜日、数字をマスターすれば1年中楽しむことができます。
万年筆に向いていない書体
万年筆では表現できない書体もあります。
カリグラフィーは長い歴史があり、たくさんの書体が生まれてきました。伝統的なカリグラフィーの多くは幅のあるペン先を使うので、万年筆で真似するのは難しいのです。
例えばゴシック体。万年筆は幅のある線が書けないので、太く下りる縦線やダイヤモンドを書くことができず、右のように骨組みだけになってしまいます。
イタリック体も幅のあるつけペンを使います。伝統的な雰囲気とは異なりますが、右のように小さなサイズなら万年筆で書いてもそれほど違和感がありません。
カリグラフィーからヒントを得て、自分の文字を作るのも面白いかもしれません。
すいすい書ける!万年筆紹介
万年筆はたくさんの種類があり、どれを選ぶか迷ってしまうもの。おすすめの3本をピックアップしました。
左:「プレピークリスタル」(プラチナ万年筆)
中央:「アンコーラで作ったオリジナル万年筆」(セーラー万年筆)
右:「サファリ」(ラミー)
どのペンも書き味はなめらか!持った時に一番軽いのは「プレピークリスタル」。日常使いにぴったりですね。
「アンコーラで作ったオリジナル万年筆」はお店でカスタマイズして作るので、自分だけの1本として気分が上がります。
見た目が華やかな「サファリ」はペン先のあたりが柔らかく、書いていて疲れません。
万年筆はインクを入れ替えられます。読みやすい黒や青系だけでなく、落ち着いた赤系のインクを選んでもよいでしょう。
お気に入りの万年筆で、気軽にカリグラフィーに触れてみてくださいね。
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▼ 連載【Enjoy! カリグラフィー】シリーズ
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- カリグラファー/YouTuber
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日本で数少ないプロのカリグラファー。 伝統的な書体からモダンカリグラフィーまで書け、オンラインレッスンやオンラインサロンでカリグラフィーを教えています。YouTubeはまね先生チャンネル登録者数は1万人を超え、幅広く手書きの楽しさをお届け中。
著書に『ガラスペンで楽しむ きらめきインクBOOK』(実務教育出版)、『筆ペンで綴る はじめてのモダンカリグラフィー』(グラフィック社)、『モダンカリグラフィー練習帳』(宝島社)、『カリグラフィーレッスンプログラム』『モダンカリグラフィープログラム』(felissimo)など。
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モダンカリグラフィーはおしゃれ文字はじめてさんにおすすめの書体。万年筆でさらっと書けるようになれば手書き時間の充実につながります。お気に入りの万年筆を手に入れて、手帳やお手紙に書いてみましょう。(はまね先生)